士農工商
しのうこうしょう
別名・異表記: 四民、身分社会(言い換え例)、階級制度(言い換え例)
本来は中国由来で「民全体・諸職業」を示す儒学的表現。戦後教科書では江戸時代のピラミッド型身分制度の説明に使われましたが、研究の進展でその図式は否定され、教科書からも削除されました。一覧では「身分社会」「階級制度」への言い換え例が示されます。
背景
「士農工商」(しのうこうしょう)は、古代中国から用いられた儒学的表現で、四民(士・農・工・商)を並べて民全体・あらゆる職業を示す用法が本来です。日本でも同様に用いられてきました。
一方、近代以降の学校教育では、江戸時代の身分を「士が上、農・工・商が下」といったピラミッド型で説明する語として定着し、その下に被差別身分を置く図式と結びつけて語られることも多くありました。1990年代以降の近世史研究では、江戸期に「士農工商」という四段階の身分制度や農・工・商の厳格な上下は存在しなかった、とされ、2000年代には文部科学省検定済教科書から「士農工商」の記述が削除されています。実際の区分は武士と百姓・町人など、より複雑な構造として説明されます。
いわゆる注意語一覧では、言い換え例として「身分社会」「階級制度」が示されます。また「士農工商○○」のように自嘲で使う表現が、部落問題の深刻さを茶化す、として問題視された事例もあり、公共メディアでは歴史認識の誤りを再生産しない配慮が求められます。
日本の放送における扱いは、法令による全国一律禁止ではなく、人権・部落問題と歴史教育への配慮に基づく自主規制が通例です。
メディアでの扱いのポイント
- 歴史番組: 最新の研究に沿い、「武士/百姓・町人」など具体的に
- 通説のままの引用: 誤ったピラミッド図式を固定化しない
- 自嘲スラング: 「士農工商○○」は避ける
学びの観点
「士農工商」は、言葉が歴史の見方を固定し、差別認識にも影響する例です。用語の削除だけでなく、身分と人権をどう語るかが教育・報道双方の課題であることを示します。
備考
monoroch 等では言い換え例として身分社会・階級制度が示されます。「士農工商○○」のような自嘲表現が部落問題を茶化す、として糾弾・注意対象とされた経緯もあります。歴史語としては注記付きで扱います。
出典・参考
個人収集のいわゆる放送禁止用語一覧。公式局内リストではない。言い換え例として身分社会等を記載。
参照日: 2026-07-18
原義、教科書からの削除、差別用語としての扱いの概説。
参照日: 2026-07-21
参照日: 2026-07-18
参照日: 2026-07-18
関連用語
百姓
ひゃくしょう
農業に従事する人を指す伝統的な語。歴史用語としては中立に使われる一方、見下しの文脈では問題視され、公共メディアでは「農民」「農業従事者」などへの言い換えが選ばれやすいです。
河原乞食
かわらこじき
歌舞伎役者など芸能人を卑しめて呼んだ語。江戸期に河原で興行されたことなどに由来し、一覧では言い換え例として「芝居役者」が示されます。現代の路上生活者を指す語ではない、との注記もあります。
身分
みぶん
社会的な地位や格式を指す語。使用箇所により注意が必要で、人を上下に序列化する・差別の根拠にする用法は公共メディアで避けられます。
新平民
しんへいみん
明治の身分制改編のあと、被差別の立場に置かれてきた人々を指して使われた蔑称。一覧では使わないと明記されます。歴史教育では「解放令」後も差別が続いた文脈で批判的に扱います。