精神分裂病
せいしんぶんれつびょう
別名・異表記: 精神分裂症
統合失調症の旧称。2002年に日本精神神経学会が「統合失調症」へ呼称変更し、行政・メディアでも新名称への置き換えが進みました。現在は旧称の使用を避けるのが一般的です。
背景
「精神分裂病」(せいしんぶんれつびょう)は、現在「統合失調症」と呼ばれる疾患の日本語旧称です。schizophrenia の訳語として長く用いられてきましたが、「精神が分裂する」という字面が人格否定的・予後絶望的な誤解を招きやすく、当事者・家族にとって告知しにくい・偏見を強める、との指摘が強まりました。
日本精神神経学会は、全国精神障害者家族会連合会(当時)などからの要望を契機に検討を重ね、2002年8月に呼称を「統合失調症」へ変更することを決定しました。厚生労働省も公的文書や診療報酬上の病名として新名称の使用を認め、都道府県等へ通知しました。メディア・出版は比較的早く新名称への切替えを進め、行政用語・法律用語への波及も続きました。
いわゆる「放送禁止用語」一覧では旧称が注意対象として掲げられ、言い換えとして「統合失調症」が示されることがあります。ただしこれは疾患名の更新とスティグマ低減の文脈が中心であり、法令で全国共通の禁止語リストが固定公開されているわけではありません。公共メディアでは現行の医学・行政用語を用い、嘲笑・比喩での乱用を避ける運用が一般的です。
メディアでの扱いのポイント
- 病名: 現在は「統合失調症」を用いるのが標準
- 旧称の扱い: 歴史解説や過去資料の引用以外では、わざわざ旧称を使う必要は薄い
- 比喩・蔑称: 「分裂」イメージを冗談に使う表現は、偏見を再生産しやすい
学びの観点
この語は、障害・疾病関連の注意語の中でも、専門学会と行政が公式に病名を改めた例として重要です。「めくら」のような俗語の言い換えとは層が異なり、医学概念の刷新とスティグマ対策が結びついた事例です。名称変更だけでは偏見が消えない、という議論も含め、精神保健とメディア表現を学ぶ入口になります。
備考
疾患そのものが消えたわけではなく、日本語病名の変更です。歴史資料・古い論文では旧称が残ります。報道では新名称を用い、偏見を助長する表現を避けるのが通例です。
出典・参考
個人収集のいわゆる放送禁止用語一覧。公式局内リストではない。言い換え例として「統合失調症」を記載。
参照日: 2026-07-18
2002年8月に「精神分裂病」から「統合失調症」へ変更した経緯。家族会の要望、厚労省通知など。
参照日: 2026-07-18
病名変更の背景とメディア・行政への波及の概説。
参照日: 2026-07-18
参照日: 2026-07-18
関連用語
痴呆症
ちほうしょう
認知症の旧称に近い表現。「痴呆」は侮蔑的で実態を正確に表さないとされ、2004年に厚生労働省の検討会が「認知症」への変更を提唱し、行政・メディアで定着しました。
白痴
はくち
かつて重度の知的障害を指す医学・行政分類語としても用いられた語。現在は侮蔑的とされ、マスメディアでは「知的障害」「精神障害のある人」などへの言い換えが一般的です。
きちがい
きちがい
精神の不調や「常軌を逸した」状態を侮蔑的に指してきた俗語。放送・報道では使用を避け、「精神に障害のある人」「心の病」など状況に応じた言い換えが求められてきました。
精神異常
せいしんいじょう
精神の不調や障害を「異常」と一括して指してきた表現。マスメディアではスティグマが強いとされ、「精神障害」「精神疾患」など、より具体的・中立的な言い換えが推奨されます。